メチャクチャ旬を逃した感はあるのですが、発売が今週ということもあるので、ファン的PRの意味も兼ねて「428」体験版の感想を含めたレビューを書いておこうと思いますです。はいはい贔屓贔屓。
体験版提供はフンドシ先生。感謝。
画面に表示される文章を読み進めながら、途中で挿入される選択肢を選びストーリーを色々な方向へ読み進めていく、“サウンドノベル”と称されるゲームがスーパーファミコンの時代より存在していますが、そのサウンドノベルの元祖を創り出したメーカー「チュンソフト」によるサウンドノベル最新作、それが「428 ~封鎖された渋谷で~」です(“428”は“よんにーはち”と読みます)。
「428」の元となるのは、実はセガサターン時代に発売された「街」と呼ばれるサウンドノベル(PS・PSPへも移植済)です。渋谷を舞台とし、実写・俳優による映像とともに、目的・視点の全く異なる複数の主人公達の行動が複雑に絡み合った群像劇を1つ1つ解きほぐしていく楽しさを持つ、サウンドノベルの中でも「名作」と呼ばれる作品でした。
ただ、発売された当時は実写ゲーム自体のウケが悪いのもあって売上も芳しくなく、予定されていた続編も出ないまま、ただただ10年近い時間が過ぎていきました。“ファンは多いけど売れなかった”という玄人好みゲームの評価のままに。
ファンが続編の存在を諦めかけていた頃、“チュンソフトから”“舞台が渋谷で”“実写映像で”“複数の主人公”という、あからさまに「街」そのままなサウンドノベルが発売決定し、ファンのみならずゲームマニアを吃驚させました(実写のサウンドノベル、というだけなら「忌火起草」もあったのですが)。
それが、サウンドノベル「428 ~封鎖された渋谷で~」です。
主人公やストーリーに関してはおそらく「街」と何ら関係のない独立した世界観ですが、ゲームシステムも含めた全体の雰囲気は、まさしく実質的な「街」の続編。楽しみにするなっつーほうがムリでしょう。
作りたいように作った結果売れなかった感のある「街」の実状を踏まえてなのか、タイアップやコラボレーションの面を押し出している部分は賛否ありますが、CMや流通に任天堂の協力があるという話もあり、さらにファミ通レビューでサウンドノベルでは前代未聞のオール10点を獲得してしまったこともあり(ファミ通なだけにまぁ邪推もしてしまいますが)、この勢いに乗って今度こそ認知度が高まって欲しいと願う次第です。
そんな「428」を、体験版基準で解説してみます。
ゲームをスタートすると、まず壮大なスケールを感じさせるオープニングムービーが流れます。緊張感と勇ましさを感じさせるオーケストラ楽曲に乗せて渋谷の空撮映像が流れるスタッフロールは、個人的に結構お気に入り。それが終わると、街中のワゴンに監禁されている謎の男の映像、そのワゴンを覗き込む女性、そして爆発……といった謎めいたシーンの挿入。このシーンの細かな部分が重要な複線になっていることは想像に難くないですな。
さて。
「428」本編は、一つの「事件」をめぐりゲーム内での10時間を追うストーリーとなっていますが、体験版はそのうち序盤の10:00~11:00を遊ぶことができます。おそらく製品版にも導入されるでしょうが、ゲームの流れをわかりやすく解説してくれるガイド機能があるので、初めての人でもゲームシステムを理解できながら遊ぶことができるのではないかと。
10:00~11:00の間では主人公を2人選択することができ、立場・視点の違う2人のストーリーを読み進めていくことになります。ただ、単純に読むだけでは上手くいかないのが面白い所。
一方の主人公の話だけ読むと、その主人公の行動は途中で失敗に終わりバッドエンドを強制的に迎えるハメになります。そのストーリーを変えるには、もう一方の主人公で別の主人公に影響を及ぼす適切な選択肢を選び、その選択肢の結果で各主人公のストーリーを軌道修正する必要があります。
ストーリーの途中、いい所で突然ストーリーが“Keep Out”されて強制的にストップがかかる場合がありますが、その時と同じ時間帯の別の主人公の視点を辿ることで、ストーリーが再開されます。
そんな具合に各主人公のストーリーをうまく読み進め、すべての主人公の時間を1時間分進めると、次の1時間分のストーリーを読むことができるようになります。これを繰り返し、10時間分のストーリーを無事に進め、事件の謎を解き明かすことがこのゲームの目的になります。
ちなみに11:00に進むと主人公の数が2人から5人に増えて「おおっ」となりますが、残念ながら体験版はここまで。主人公を選んでもテーマソングとともにゲームは終了。うーん続きが気になりまくり。
“無関係な人間の行動が全く別の人間の運命を変えていく”というストーリーの複雑な絡みを、プレイヤーは神の視点で解きほぐしていく。そうして数々のバッドエンドを回避し、正しく主人公「たち」のストーリーを導いてあげる。そういうストーリーのパズル的な解読と、無関係な人間同士の密接な関係の妙を楽しむことが、このゲームの最大の醍醐味です。
文章にすると複雑そうですが、ゲームとしては基本的に読み進めるのみ。プレイヤーは要所でちょっと機転を利かせてやるだけ……。バッドエンドの大半にはヒントが表示され、ゲーム全体では好きな時間軸に戻って読み直すこともできるので、ご安心を。
また、文章の中にはいわゆる豆知識や用語集にあたる「TIP」がちりばめられており、これらを探して読む楽しみもあります。体験版では普通のTIPばかりでしたが、面白おかしいネタ的TIPも結構あるとのこと。ちなみにTIPは全部で428個あるそうです(笑)。
こういった基本的なシステムは、実のところかつての「街」のシステムそのもの。やはり実質的続編なだけありますが、操作性やグラフィックセンス等は遥かにこちらが上。Wiiリモコンですっと操作できるのもお手軽でよろしいと思います。ロード時間が気にならないのもGOOD。プレイの快適さは保証してもいいでしょう。
誘拐事件に発端を成すスピーディーなストーリー展開も特筆すべき点。ストーリー的には製作者が洋ドラマの「24」を意識して作っているだけに、体験版だけでもハラハラドキドキのストーリー展開が待ち受けています。
犯人グループに翻弄される刑事、身代金を渡したのに何故か命を狙われることになるヒロイン、行きがかり上ヒロインを守ることになってしまった元チーマー、といった様々な視点で事件を追い・追われ、プレイヤーは事件を多面的に見つめて謎を解き明かしていきます(まぁ体験版はホントいい所で終わっちゃうんですが)。
映像とシステムによるインタラクティブ性に富んだ迫力ある小説、これぞサウンドノベルの醍醐味ですなぁ。
ストーリーのネタバレやキャラ感想なんかを割愛したため、あまり体験版が参考にならないレビューになってるが気にするな!(えー)発売まであと2日なんだからもう少しの辛抱だー。
とりあえずダディアナザンがいるだけでヲタ的ポイントは高いです(えー)。あとタマが楽しみだなぁ。




